日経MJが2018年ヒット商品番付発表!平成最後の番付は?
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ビジネス
12月5日付で日本経済新聞社が発行している「消費や流通等のマーケティング情報に特化した専門紙」日経MJ(Nikkei Marketing Journal)から「2018年ヒット商品番付」が発表されました。2018年の1年間を通して番付されたモノで、「2018年上期ヒット商品番付」と同じ商品や上期の発表以降に話題になった商品がランキングされています。今回の番付の決まり手はズバリ「ウチ充」で、その事柄を象徴する商品が多数選ばれる結果となりました。今回は今年1年、話題となった商品を総まとめした「2018年ヒット商品番付」を詳しく紹介したいと思います。
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2018年ヒット商品番付
この「ヒット商品番付」は、下記の通りに基づき作成されています。
日経MJが消費動向や世相を踏まえ、売れ行き、開発の着眼点、産業構造や生活心理に与えた影響などを総合的に判断して作成した。「東・西」は大相撲の番付表にならい東方が西方より格上であることを示す。
引用元:日経MJの1面より抜粋
東の番付
【横綱】安室奈美恵
昨年の9月に引退を発表し、その後発売されたベストアルバムが空前のヒットとなった平成の歌姫。芸能界だけでなく各業界にも大きな影響へ、その経済効果は500億円超とも言われています。
【大関】スマホペイ
支払いをスマートフォン専用アプリで行う決済サービスで、LINEや楽天、docomo等の大手企業も続々と参入。ローソンでは、今年の4月に一部の店舗で利用者本人が購入する商品のバーコードをスマートフォンのカメラで読み取り、アプリ上で決済する「ローソンスマホペイ」試験的に実施、時間短縮に大きな効果的な結果もたらしたことを受け、今後は朝や昼の時間帯に混雑する大都市圏の店舗を中心に導入拡大することを発表している。
【張出大関】羽生結弦
平昌オリンピックで66年ぶりにフィギュアスケート男子で2連覇を達成。7月には歴代最年少の23歳で国民栄誉賞を受賞した。全国7都市で開催された展覧会は累計50万人を超える来場者を記録した。
【関脇】キリンビール「本麒麟」
アルコール度数が6%と「第3のビール」らしくない飲みごたえがビール好きに受け、3月発売後、発売3ヶ月で年間目標の5割となる1億本出荷、約半年で2億本(350ml缶換算)の販売を達成した。その結果、上期のビール類の課税出荷量で他社が軒並み売上減を発表している中、キリンだけは売上増を発表する結果となった。
【小結】Vチューバー
2Dや3Dのアバターを使って動画配信サイトに動画投稿を行うバーチャルユーチューバーで、最近の調査では日本で1日に20人以上が増加していると言われている。ブームの火付け役となったのは、2016年12月に活動を開始した「キズナアイ」と言うキャラクターで、チャンネル登録者数も200万人以上を突破している。個人だけでなくサントリーなどの大手企業も参入しており、今後規模拡大が見込まれる。
【前頭】U.S.A.
男性ダンスユニット「DA PUMP」が6月に発表したシングル。ダサかっこよさが若い世代に受け、大ヒットとなった。このブレイクにより「DA PUMP」は16年ぶりにNHK紅白歌合戦への出場が決まった。
【前頭】日本橋高島屋S.C.
老舗百貨店・日本橋髙島屋が展開する本館・ウオッチメゾン・東館・新館の4館体制の新都市型ショッピングセンター。今年の9月25日にオープンした新館では、一部の店舗のみですが、朝は7時30分から、夜は23時まで営業するなど従来の百貨店とは様々なサービスを展開し話題となった。開店2ヶ月で入場者数は250万人を超え、これは当初の想定の1.4倍に相当する数値。
【前頭】トヨタ「新型クラウン」
今年の6月に7年ぶりにフルモデルチェンジした車載通信機DCMを全車に標準搭載し新型「クラウン」。これにより、車の異常発生時にオペレーターや販売店と接続して事故を防ぐことも可能に。発売から10月までの販売台数は目標の24%増となった。
【前頭】猛暑消費
今年の7月23日には埼玉県の熊谷市で41.1度を記録、日本国内最高気温を5年ぶりに更新した。埼玉県だけで全国的にも猛暑が続き、7月の国内家庭用エアコン出荷台数は176万台と単月としては5年ぶりに過去最高を更新した。
【前頭】森ビル チームラボ ボーダレス
森ビルとチームラボが共同運営するミュージアム「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless」は6月に開業後、11月28日に来場者数が100万人を突破した。プロジェクター470台で創る圧倒的な幻想的空間は日本のみならず世界中からファンが殺到し、事前チケットは完売が続いている。
【前頭】もち麦おにぎり
豊富な食物繊維とダイエット効果で若い女性やヘルシー志向者の間で人気が集まり、大手コンビニ各社が販売を拡大。セブンイレブンでは、昨年12月から1億2000万個販売した。
【前頭】バトルロイヤルゲーム
プレーヤーがオンライン上で集まり、最後の一人になるまで戦うバトルゲームで、Appleの今年1年の中で最も優秀なゲームアプリの一つにも選ばれた。その中の代表的作品は、中国企業のNetEase Games社が開発・運営する「荒野行動」で世界で3億ダウンロードを記録している。
【前頭】タピオカミルクティー
独特のもちもち食感が女性を中心に支持された台湾発の飲み物。本場台湾で人気の「ゴンチャ」や「春水堂」の日本店舗では連日長蛇の列となった。
【前頭】ダッドシューズ
お父さん(=DAD)世代が履いているような底が厚いぼってりしたスニーカーで、その野暮ったいレトロなデザインが若者の間で人気に。人気スポーツブランドも相次いで商品を発売した。
【前頭】ちふれのコールドクリーム&花王の洗顔ジェル
YoutubeやSNS上で組み合わせて使うとお肌の調子が良くなると話題に。ちふれのコールドクリームは1月~10月出荷数量が前年同月比の2倍、花王の洗顔ジェルは10~12月の販売見込みが前年同月比の6倍となった。
【前頭】ライオン「リード プチ圧力調理バッグ」
食材と調味料をジッパーバッグに入れて電子レンジで温めるだけで煮込み料理が簡単に出来る時短調理グッズ。子育てや単身、シニア世帯に幅広く支持され、3~10月で80万個を販売した。
【前頭】ワークマンプラス
作業服専門店でありながら、その高機能から一般ユーザーに人気となった「ワークマン」が手掛ける新しいカジュアルウエアブランド。今年の9月に1号店をオープンし、絶好調の業績を上げている。来年3月までに10店舗をオープンする予定。
【前頭】ハットグ
ソーセージの代わりにチーズを詰めた韓国発のアメリカンドッグで食べる際に伸びる姿がインスタ映えすると中高生の間で話題となった。人気店が軒を連ねる東京・新大久保では連日多くの人で集まり賑わっているが、その一方で食べる際に出る大量のゴミで周辺住民が悩まされるという問題も起こっている。
【前頭】米津玄師
3月にリリースされた「Lemon」がオリコン週間デジタルシングルランキングで史上初の100万ダウンロード突破、Youtubeでも2億以上再生されるなど今年一番注目されたアーティスト。
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西の番付
【横綱】TikTok
15秒前後の短い音楽に合わせて口パクやダンスなどの動画を投稿する中国発のSNSアプリ。若い世代を中心に世界で人気を集め、月間のアクディブユーザー(=利用頻度が高いユーザー)数は5億人とも言われている。日本でもソフトバンクの関連会社が「TikTok」を運営する中国ByteDanceに投資したことを発表した。また、毎年恒例となっている2018年「ギャル流行語大賞」が12月5日に発表があり、「TikTok」のワンフレーズである「いい波のってんね~」が1位の大賞に輝きました。
【大関】サブスクリプション
月額などで料金を払うと期間内はサービスが使い放題になる料金体系。日本では主に動画配信業界で多く見られるが、今後衣料品やコスメ商品など、様々な分野で普及、拡大すると言われている。
【張出大関】大坂なおみ
8月に行われた全米オープン女子シングルで優勝、日本人初のグランドスラムシングルス優勝という快挙を成し遂げた。実力もさることながら独特の「なおみ節」が人気を集めた。
【関脇】ゾゾスーツ
着てスマートフォンで撮影するだけで自動採寸するスーツ。10時間で23万件の注文が殺到した。2018年度中に300万枚を配布する予定。
【小結】eスポーツ
ゲーム上で本物さながらのスポーツが体験できる対戦型のゲーム競技。現在様々な種目のプロリーグも登場し、今後国内では賞金1億円超の大会も開催される予定。
【前頭】カメラを止めるな!
制作費たった300万円の低予算作品がSNSでの口コミや芸能人がマスコミで紹介したことで人気が拡大した。動員数220万人超、興行収入30億円超のインディーズ映画としては驚異の記録を達成している。
【前頭】東京ミッドタウン日比谷
映画と演劇の街・日比谷で劇場帰りに立ち寄りたくなるおしゃれなお店や、都内最大級の映画館など、街の個性を生かした空間作りが人気を集め、開業6ヶ月で年間目標の1200万人来場者を達成した。
【前頭】ニコン「Z7」
9月に発売された高機能ミラーレスカメラ。小型ながら4575万画素数の高画質で発売直後から売り切れが続いた。
【前頭】サバ缶
永年首位をキープしていたツナ缶を抑え1となった注目の缶詰、昔ながらの商品からおしゃれなパッケージの商品まで様々な種類のサバ缶が登場した。また大手レシピサイト「クックパッド」ではサバ缶を使ったレシピの投稿、検索が相次ぎ、レシピ数は11月下旬時点で約3800品となった。また、同サイトが今年を代表する料理に贈る「食トレンド大賞2018」にも選ばれている。
【前頭】銀座ソニーパーク
2017年3月末にで営業を終了した東京・銀座の「ソニービル」跡地に今年8月に作られた垂直立体公園。世界各地から集めた特別な植物が購入できるショップや世界的デザイナー・藤原ヒロシ氏が手掛けるコンビニなどが併設されている。尚、運営は東京オリンピックが開催される2020年秋まで。
【前頭】1000円食パン
関西で人気のこだわりの食材を使った1本(2斤)1000円程度の高級食パン専門店が首都圏に続々と進出。従来の食パンには無かった風味や食感が消費者を魅了し、話題となった。関西だけでなく、東京発の新進気鋭店も続々とオープンし、「俺のフレンチ」等を運営する「俺の」社も今年だけで5店舗をオープンさせた。
【前頭】ボヘミアン・ラプソディ
イギリスを代表する伝説的ロックバンド・クィーンの伝記映画。11月上旬に公開されてからこれまでに全世界興行収入が5億ドル(約567億円)を突破、日本でも現時点で累計動員は約240万人、累計興行収入約33億の大ヒットを記録している。
【前頭】おっさんずラブ
4~6月にテレビ朝日系で放送された男性同士の恋愛を描いた深夜ドラマ。男性同士の「純愛」が女性たちのハートを掴み、放送後に開催された展覧会では連日多くの女性ファンが訪れた。
【前頭】グッチ
若い世代のセレブやモデルがSNSでがこぞって身につけたことで人気となり、今年の1~9月の売上は前年同期比の約4割増となった。
【前頭】資生堂「ピコ」
今年の2月から5月に登場した和菓子にインスパイアされたミニサイズのリップとネイルシリーズ。豊富なカラー、高質感、手頃な価格、キュートなパッケージなどが20代女性を中心に大人気となった。
【前頭】タカラトミー「L.O.L.サプライズ!」
世界で累計販売数5億体以上を販売し、2017年に全米で最も売れたオモチャが日本初上陸。中身がわからないドキドキ感やちょいワルなデザインが子供だけでなく、母親世代にも受け、発売約3ヶ月で累計出荷個数、100万個を達成した。
【前頭】男性用メーキャップ
化粧品ブランド「THREE」で知られるアクロが9月に、国際的なファッションブランド「シャネル」が11月に初めて男性向けのメイクアップ化粧品を売り出すなどメンズコスメの市場が拡大している。今後、国内外とわず様々なブランドの参入が見込まれる。
【前頭】ごちガスト
ファミリーレストランの「ガスト」が今年の夏に打ち出した20組に1組の飲食代が無料になるキャンペーン。期間中18万組が当選し、同社全体で7~9月期の売上高増加に転じる原動力となった。
【前頭】あいみょん
独特の歌詞と歌声が若い世代に人気の兵庫県出身の23歳のシンガーソングライター。現在放送中の新垣結衣主演ドラマの主題歌に起用されたり、今年のNHK紅白歌合戦に初出場も決まっている。
その他の賞
【殊勲賞】大谷翔平
今から大リーグ・エンゼルスに移籍し、日本同様、二刀流で本場メジャーでも好成績を残した。11月にはア・リーグの新人王にも選ばれ、日本人選手が新人王に輝いたのは野茂、佐々木、イチローに続く17年ぶりの快挙。大谷選手の活躍で関連グッズや観戦ツアーの売上を好調で大きな経済効果ももたらした。
【敢闘賞】サッカーW杯日本代表
今年の6月にロシアで行われたサッカー・ワールドカップでは、南米の強豪コロンビアに勝ち、また優勝候補のベルギーと激闘を繰り広げる日本代表チームに日本中が熱狂した。大会期間中はテレビやビール、宅配サービスの需要が増加、その経済効果は3000億円とも言われた。
【技能賞】ムロツヨシ
「日本エンタテインメント!」が発表した2018年度版「タレントパワーランキング」男優編で5位に選べた今年注目の実力派俳優。現在放送中のドラマ「大恋愛」では、難病に侵されるヒロインを支える恋人役を、伝説のヤンキーギャグ漫画の実写ドラマ「今日から俺は!!」では主人公たちが通う高校の個性的な教師役を熱演しているが、そのあまりの演技のギャップにSNSで話題となった。
【技能賞】紙ストロー
プラスチックの海への流出を抑えるため世界規模でプラスチック製ストローの使用廃止の動きが強まっている中、その代用品として脚光を浴びている。日本の大手ファミリーレストランやコンビニでも今後、紙ストローを導入する動きが加速すると思われる。
【流行語賞】ボーっと生きてんじゃねーよ!
NHKで現在放送中のバラエティー番組「チコちゃんに叱られる!」に登場するCGキャラクター・チコちゃんがチコちゃんが出す質問に出演者が答えられない時に怒りの形相にでこの言葉を発する。番組は、チコちゃんと出演者の軽妙な掛け合いと質問に振り回される出演者の姿が視聴者に人気を博し、毎回高視聴率をキープしている。
【残念賞】仮想通貨バブル
1月に不正アクセスによる仮想通貨交換会社「コインチェック」の仮想通貨「NEM」の大量流出事件が発生、その影響を受け、仮想通貨全体の価格が急落した。昨年の12月の最高価格値から8割も下落したことで仮想通貨バブルは崩壊した。
まとめ
「2018年ヒット商品番付」は、昔懐かしいモノから最新の機能を搭載したモノまで時代を超えたバラエティに富んだ内容だったと思います。私的には現在、爆発的にヒットしている西の横綱「TikTok」が今後どこまでも躍進するのか、もしくは衰退していくのかその動向がとても気になっています。来年、新年号第一回目の「ヒット商品番付」はどんなラインナップになるのか今からとても楽しみです。
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